令和3年産米の栽培履歴

4月2日
田起こし
昨年までは稲わらを全量田んぼの外に出しておりましたが、今年は3分の1位の量の細かく刻んだ稲わらを田んぼ全体に広げて、田起こしですき込むようにしてみました。
できれば稲わらは田んぼに入れたくないのですが、田んぼから外に出した稲わらを有効に利用し続けるのが難しい状況なので、ある程度の量を田んぼにすき込んでみました。
どんな影響があるかしっかりと見ていきたいと思います。

4月16日
塩水選 ~ 浸漬
昨年までと同じように、比重1.13の塩水に種籾(たねもみ)を入れて浮いた種籾をすくい出しました。
比重1.13という濃い塩水に種籾を入れるのが何となくかわいそうなような気がして「来年からは真水に入れて選別しよう」と昨年は考えていたのですが、結局思いきれずに同じように塩水での種籾選別になりました。
今年も、温湯消毒も含めて種子消毒を一切していません。

比重1.13の塩水は生卵が浮く濃度です。浮いた種籾をすくい出し沈んだ種籾はすぐに塩水から出して真水で良く洗いました。
真水でしっかりと塩水を洗い流した種籾を、ネットに入れて真水の中に浸漬しました。この状態で1日おきに水を換えて10日間浸漬しました。

4月25日、26日
籾播き ~ 苗箱並べ ~ 発芽
25日の午後に苗箱に床土を入れ、26日の午前中に籾播きをして午後に苗代に並べました。
苗箱に使用した土は、昨年までと同じ「無肥料焼成培土」です。
苗箱の中にも肥料や農薬類は一切使用していません。

前日水から出してゴザに広げて乾燥させておいた種籾を、手動の籾播き機で110枚の苗箱に播きました。
昨年は苗箱1枚に110gの種籾を播いたのですが、今年は120gにしてみました。
今年も自分と息子、娘の3人で作業しました。
草取り、耕起、代かきをして平らにした苗代に籾を播いた苗箱を並べました。
苗代の水は、作業しやすいように前日に抜いておきました。
保温保湿用のシートを掛けました。
5月7日、発芽して2㎝位に伸びたところです。
代かきが不十分だったのか水持ちが悪く、すぐにこのように水が全く無い状態になってしまったため、シートの中を日々こまめに確認しながら入水しました。
5月23日、シートを外しました。

5月31日、6月8日
荒代かき ~ 本代かき
井水の水が少ないため代かきには苦労していますが、今年は昨年よりも水量が少し多かったため、今までで一番代かきがしやすくてありがたかったです。

荒代かきの後のこの景色にはいつも癒されます。
6月8日には本代かきをして、田面をできるだけ平らに仕上げました。

6月11日
田植え
前日に苗代から苗を移動し、11日は息子と娘と一緒に田植えをしました。
苗丈は年々伸びており、昨年は11㎝位でしたが今年は14㎝位になりました。
毎年同じ苗代で無肥料で苗作りをしておりますが、苗が元気に育つ姿にはいつも感動させられます。

昨年は1坪当たり70株の密度で植えましたが、今年は60株にしました。
70株ではちょっと混み過ぎかなという感じがしたのと、株と株の間隔が昨年よりもう少し広い方が除草がしやすいかなと思ったからです。

6月18日~8月下旬
除草作業
今年は手押しの除草機を3回押しました。
昨年までは手押し除草機の使用は1回で、その後は手で除草しておりましたが、除草機を押す回数を増やせば手で除草する手間が減らせるのではないかと思い増やしてみました。
株間は昨年までは大きい草のみ全て手で除草しておりましたが、今年は長い柄の先にΩ型の刃がついた道具で1回除草しました。
結果は、ほとんど手で除草する必要がありませんでした。
もしかしたら、草の勢いよりも稲の勢いの方が年々強くなっているために除草が少しずつ楽になってきているのかもしれません。

毎年使っているレトロな手押し除草機。ほんとうに優れものです。

6月中旬~8月上旬
田植え後~出穂
今年は8月に雨の日が多く、いもち病が発生した地域が多かったですが、いなほ農園の田んぼではいもち病が発生することなく元気に育ってくれました。
昨年と同じように6月の中旬から下旬頃にイネミズゾウムシが多くの株につきましたが、何日かしたらいなくなり全く害はありませんでした。
病気や害虫への対策で農薬を使わなくても、稲自信が自分の力で対策をしているようです。

7月19日の様子です。ゆっくりですが力強く生長していきました。
8月7日、出穂しました。

10月4日、5日
稲刈り
昨年まではコンバインでの稲刈りを依託していましたが、今年はコンバインをレンタルして稲刈りをしました。
コンバインの操縦は息子がしました。
コンバインで稲刈りをしながら、「この稲刈りの仕方がいなほ農園にとってほんとうに良いのだろうか」と考えながらの稲刈りでした。
より自然に叶った、より持続可能な稲刈りの仕方を考えていきたいと思います。

9月12日、だいぶ黄色く色づいてきました。
10月5日、稲刈りをしました。稲わらを縛りながら落としていく装置がコンバインに付いていたのでとても便利でした。
稲わらを5束位ずつ縛って立てて天日乾燥。乾燥した稲わらの一部は畑で使いたいという方に持っていっていただきました。